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DNJ コミュニティーフォーラム  


イスラーム社会変革 - 2015/09/07 18:47 《社会変革プロジェクトを担う次世代グローバル人材を支える宣教協力》
イスラーム圏のビジネスネットワーク

1. 概要
1) イスラーム圏のビジネスネットワークは、Muslim Entrepreneurs NetworkやIslamic Investment Network、Halal Expo EuropeやHalal Expo Malaysiaなどが多重連携しオープンに拡大されてきた。日本ではJapan Halal Expo 第1回 (14.11.26-27 東京) を経て2020東京オリンピックに向かう中、イスラーム諸国からのリソース流通とそれを支える業際ネットワークが拡大している。 世界共通の課題は、震災・テロからの復興・再生をめざし、社会変革を推進するプロジ ェクト(タスク)とそれを担い地域社会貢献するグローバル人材(リソース)を支えることである。 多文化共生社会Multicultural Symbiotic Societiesにおけるさまざまな受け皿の協働タスクが包括的に用いられるようにつなぐブリッジビルダーを支えるの育成が一層求められている。
2) アジア日本語教会ファミリーキャンプ(2015.02.09-11 Trinity Theological College, Singapore)では、イスラーム・ヒンドゥー・儒教・仏教など多文化共生社会における多様なコミュニティーの協働による地域社会貢献、それを担うアジア人ディアスポラ(移動する人々、国際家族・国際人) のネットワーク(Global Diaspora Network) が検討された。社会変革を推進する業際ビジネスを担うグローバル人材ネットワークが、共存する中で相互のバックグラウンドを活かした挑戦を分かち合い、山積する累積課題と続発する新しい課題に取り組むネットワーク が多重連携しつつある。そして、そうした持続可能な成長のアプローチを通し隣人愛と希望があらわされることを祈って行きたい。
3) 多文化共生社会における社会変革を担うイスラーム圏やヒンドゥー圏のビジネスネットワークとして、海外の地域・業際領域におけるネットワークは元より、国内の留学生や在留外国人の地域・業際領域におけるネットワー クも拡大している。共存・協働するアプローチを通し、隣人愛のつながりが内外に拡大されつつある。ムスリムやヒンドゥーの隣人と共に歩む多文化共生社会において、震災・テロからの復興・再生をめざし、喜びや悲しみ を共にしつつ持続可能な成長にアプローチして行く中で、内なる愛と希望があらわされることを祈り続けたい
Cf. 自治体国際化連合(CLAIR) http://www.clair.or.jp/
  多文化共生ポータルサイト http://www.clair.or.jp/tabunka/portal/
  茨城県国際課 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/kokuko/kokuko.htm
  多文化共生社会推進事業
 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/kokuko/jpn/job/tabunka/index.html

2. 2000~2015年の動向
1) イスラーム社会の変革の胎動とNGO 〔2012.06〕
イスラームでは支援活動が神と人間の関係で語られる。ムスリムなら天災を神からの罰と捉えるのではなく、神から与えられた試練として受け止め、いかに復旧・復興のために努力できるかが問われていると考える。日本で の支援活動について「私たちは今、日本でジハード(=神の道のための奮闘、努力)をしている。自立した個人が集まってアソシエーションを作るという西欧的な市民社会概念の延長線上に位置する「NGO」に対し、日本 でいう「絆」的なものがより豊かに存在するイスラーム世界においては、CBO(コミュニティに根ざした団体)やCSO(市民社会組織)と呼ばれるような組織に注目するべきである。
http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/7883/1/13_ibunka_14_fujioka.pdf 
2) ノーベル平和賞〔2014.10〕
ノルウェーのノーベル賞委員会は10月10日、2014年のノーベル平和賞を、女性教育の権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17) と、インドの児童労働問題に取り組んでいるカイラシュ・サティヤルティさん(60)に授与すると発表した。
マララさんは、パキスタンで女子が教育を受ける権利を11歳の時からイギリスBBCサイトのブログなどで訴えて、2012年10月、イスラム過激組織に銃撃されて重傷を負ったが、奇跡的に回復。支援の輪が世界中に 広がった。反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)が犯行を認めた。現在はイギリスを拠点に世界で全ての女子や児童への教育実現を唱えている。これまで、教育を求める女性らの夢と希望を一身に受けてき た。
ノーベル賞委員会は発表で、「マララ・ユスフザイ氏は未成年ながらすでに少女への教育の権利のために闘い続けており、子供と若者たちに見本を示すことで、彼らが自らの状況を改善することにも貢献してきた。ユスフザ イ氏は最も危険な環境で活動してきた。しかし彼女は勇敢な闘いを通じて少女たちが教育を受ける権利を求める代表的なスポークスパーソンとなった」と評価した。
サティヤルティさんは、NGO「ACE」などによると、電気技師から、1980年に「BBA/ SACCS・南アジア奴隷解放連盟」を設立して活動家に転じた。奴隷的な境遇にある子供の救済や、児童労働の撲滅に取り組んでいる。25年間で7万人余りの子供たちを救済し、社会復帰を支援してきた。
ノーベル賞委員会は発表で、「カイラシュ・サティヤルティ氏は、ガンジーの伝統を守り、さまざまな形で抗議とデモストレーションをすべて平和的に推し進め、経済的利益のために子供たちに対する深刻な搾取が行われた ことに焦点を当てた。サティヤルティ氏はまた、子供の権利に関する重要な国際会議の開催に貢献した」と説明した。
ノーベル賞委員会は発表で、「カイラシュ・サティヤルティ氏は、ガンジーの伝統を守り、さまざまな形で抗議とデモストレーションをすべて平和的に推し進め、経済的利益のために子供たちに対する深刻な搾取が行われた ことに焦点を当てた。サティヤルティ氏はまた、子供の権利に関する重要な国際会議の開催に貢献した」と説明した。
Indian Kailash Satyarthi and Pak's Malala Yousafzai win Nobel peace prize 2014. LONDON: History was made on Friday when an Indian and a Pakistani jointly shared the Nobel Peace Prize for 2014.
India's Kailash Satyarthi and Pakistan's Malala Yousafzai were awarded the Nobel Peace Prize for "showing great personal courage" and their struggle against the suppression of children and young people and for the right of all children to education.
Malala is the youngest to be awarded the globally prestigious annual prize.
3) フランス紙シャルリエブド襲撃テロ事件〔15.01.07-09 Paris〕: 仏独におけるムスリム(イスラーム教徒) に対する社会差別、1980年代後半からのイスラーム恐怖症Islamophobiaを背景としていること、オランダなどは対応が進められていたことを捉える必要がある。仏劇作家兼俳優のサシャ・ギトリは「無礼な 言葉はかつて目的を達したことはなく、憎しみは常に目標を乗り越えてしまう。」を残している。言論・表現・報道の自由、市民権法や雇用、政治的な差別に対する抑制やバランスが求められる。自由が成熟した社会におけ る節度が問い直される。
4) 日本のイスラーム社会: 神戸回教寺院Kobe Masjidは1935に竣工。東京回教礼拝堂は1938に竣工し1986に老朽化で取り壊され、トルコ大使館の所属として東京ジャミィTokyo Camiiが2000年に竣工。マスジド(2012に65か所)やムサッラー(祈祷用礼拝所)は国内に200か所余り、在住ムスリムは100,000人(内10%が日本人)といわれる。
5) イスラム国の動向
「イスラム国と恐怖の輸出」菅原出著 講談社現代新書(14.07.20発行)
「イスラム国の正体」国枝昌樹著 朝日新書496 (15.01.30発行)
「イスラム国の正体」黒井文太郎著 ベスト新書465 (14.12.20発行)
6) イスラーム関係書籍
イスラームは、宗教・文化・政治の3つの面を包括した生活様式である。法整備は、原則としてコーラン、預言者の伝承、宗教法Sharia、類推による施行法の4段階で行われた。同時にそれに対する共同体の合意との 調和を求める形で、宗教法の四法源「コーラン、伝承、類推、合意」が運営されている。
Cf.
「イスラムの読み方―その行動原理を探る」山本七平・加瀬英明著祥伝社新書(15.03.10)
「イスラム戦争 中東崩壊欧米の敗北」内藤正則著 集英社新書0770B(15.01.21)
「イスラームから世界を見る」内藤正則著 ちくまプリマー新書184(12.08.10)
「世界を戦争に導くグローバリズム」中野剛志著集英社新書0755A(14.09.22)

3. スマトラ島沖地震 Indian Ocean Tsunami
1) スマトラ島沖地震(04.12.26) Sumatra Andaman Earthquake and Indian Ocean Tsunami から10年経過し、復興・再生に比して防災対応大幅遅延。
2) スマトラ島沖地震(2004)は10ヶ国余り死者総数が23万人の地域大規模災害であったが、10年を経てインフラ整備や防災対策が進行していない状況が地域共通課題になっている。
3) アチェの和平プロセスにおける特別州イスラム法履行
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/232/023209.pdf 

4. 経済回廊を通したアジアの流通革命
1) ASEAN経済共同体 ASEAN Economic Corridor (2015)から東アジア経済共同体経済回廊 East Asia Economic Corridor (2020)、東京2020に至るロードマップが展開されている。
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/east_asia/activity/asean.html
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/ras/04_publications/ria_ja/32_08.pdf 
https://tokyo2020.jp/jp/ 
2) インドシナの東西経済回廊、南部経済回廊、南北経済回廊による経済成長の加速化、ネアックルン橋Neak Loeung Bridge開通(15.04.06)、
http://www.jeri.or.jp/membership/pdf/research/research_1406_01.pdf 
http://www.jeri.or.jp/membership/pdf/research/research_1407_02.pdf 
http://www.smcon.co.jp/2015/040913397/ 
3) インドネシアからフィリピン、インドシナ(ベトナム、ラオス、ミャンマー)、バングラデッシュ、インドに至る流れが加速化している。

5. イスラーム金融
1) 世界と人類の平和と持続可能な発展のため、多文化共生社会Multicultural Symbiotic Societiesにおいて、邦人を含むアジア人ディアスポラAsian Diasporaは流通や金融などの先端分野にハイテクを駆使し長年に亘り地域貢献している。イスラーム社会の変革として、流通におけるハラル認証Halal Certificationとイスラーム金融Shariah Compliant Bankingの両分野における発展はめざましい。生物多様性Bio Indian Oceanイスラーム人口はますます拡大し、流通・金融におけるグローバルスタンダード化が進展する中、東アジアや東南アジアの地域協力がそれを支えている。
2) イスラーム金融とは、イスラーム教の聖典であるコーランと、預言者ムハンマドの生活規範を基にしたイスラームの教義、思想であるシャリアに沿った金融取引全般を総称したものである。総資産は100兆円超で、世界金 融総資産約2京5,000兆円の中では未だ小規模であるが、急拡大している。現在80カ国300以上の金融機関でイスラーム金融が取り扱われている。日本政府の「通商白書2008」の中でイスラーム金融についてふ れられた。基本は、イスラーム教の貨幣に対する考え方から、金銭の使用に対して利子を課すことが禁止されている。豚肉、酒類、武器などの特定の禁制品を使用または取引することも禁止されており、これは酒や豚肉を提 供するホテルやレストランには融資しないという仕組みとなる。また、投機行為も禁止されており、貯蓄に対しては財産税が課せられる。1960年代に誕生し、1973年の石油ショック後に世界中のイスラーム諸国への 経済援助と支援を目的とした「イスラム開発銀行」が設立された。1983年にはマレーシアでイスラム銀行法が設立された。中東産油国の経常黒字が世界のマネーを呼び込み、イスラーム金融の発展へつながった。マレー シア国内では、全銀行部門に占めるイスラーム金融の割合は拡大し、2010年には約20% に達した。インドネシアのイスラーム金融の歴史は浅く、1992年に最初のイスラム銀行「インドネシア・ムアマラット銀行」が設立された。その後、イスラーム金融に関する基本方針が制定され、2008年には「金融 の成長加速プログラム」が策定された。
・急拡大するイスラム金融とオイルルダラー
http://jci-plant.or.jp/120members/pdf_g/finance07_5th_oct25_1.pdf
・日本とASEAN 各国との二国間金融協力について
  http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2013/0507/sankou_02.pdf
・イスラム金融サービス委員会(IFS第10回サミット
   http://www.jsda.or.jp/katsudou/gaiyou/gyouhou/13/1306/10ifsb.pdf

6. ハラル認証 Halal Certificate
1) マハティール政権下の開発政策とイスラーム
https://www.jstage.jst.go.jp/article/asianstudies/49/1/49_19/_pdf 
2) ハラル認証とは、イスラーム法に則って処理された食品に対する認証であり、イスラーム18億人へのパスポートである。マレーシアは、世界で唯一の国家機関(ハラル産業開発公社Halal Industry Development Corporationで認証を行なっている。これはマレーシアがハラル食品の潜在的な市場規模(年間6,000億ドル=約60兆円)を重視し、国策Global Halal Hubとして日本など海外企業の工場を誘致すると同時に、中東やインドネシアなどイスラーム圏との貿易を拡大させるものである。ハラル産業全体では、化粧品や医薬品を含めて、2兆ドルを超える(=約200兆円) 市場規模といわれる。
3) 日本語で把握可能な情報は、以下のとおり。
・日本アセアンセンター http://www.asean.or.jp/ja/ 
・ 日本ハラール協会 http://www.jhalal.com/
・ 一般社団法人 ハラル・ジャパン協会 http://halal.or.jp/
・イスラミックジャパンセンター 
http://islamcenter.or.jp/services/halal-certificate/
・宗教法人 日本イスラム文化センター http://www.islam.or.jp/services/halalfood/  
・HALAL NEWS http://halalnews.net/
・マレーシアハラルコーポレーション株式会社
 http://www.mhalalc.jp/related-news.html 
・「ハラル関連プロジェクト3本」; Japan Halal 牛(流通)、Japan Halal 米(お持ち帰り)
Japan Halal 器(お持て成し)
・一般社団法人 日本ハラル食肉流通機構 http://jhmdo.jimdo.com/ 
・一般社団法人 国際観光政策研究所
http://ameblo.jp/cosmopolitanism/entry-11583883279.html  
4) 1st Halal Expo Japan 2014(14.11.26-27 東京)
http://japan-halal.jp/
http://www.halalmedia.jp/expo/jp/index
Cf. Taiwan Int’l Halal Expo(15.06.24-27 Taipei World Trade Center)
7th Halal Expo Dubai(15.09.28-30 Dubai

7. レジリエント社会においてユビキタスからアンビエントへの変革を支える宣教協力
1) レジリエントな社会(しなやかに回復する社会) は、危険に晒されたシステムや共同体、及び社会全体が、その影響を受けながらも抵抗し、あるいはそれを巧く吸収・管理しながら、早急かつ効果的に回復する能力が活かされる社会である。ショックを予見し管理し回復す る能力を強化するための変容プロセスで、事前の備えと事後の対応による包括的アプローチが求められる
2) Action to Build Back Better(被災前よりも良い社会を目指す復興、創造的復興)を担うブリッジビルダー: 災害による被害増大が持続可能な開発を阻害しているため、災害リスクを軽減するべく災害への備え向上と国際協力に支持されるBuild Back Betterが必要で、強靭な社会に向けより広範かつ人間中心の予防的アプローチが求められている。国連防災世界会議第3回(15.03.14-18 仙台)は、第1回(94 横浜)、第2回(05 神戸)に続いて行われ、国際的防災指針である仙台防災枠組2015-2030と防災に対する各国の政治的コミットメントを示した仙台宣言が採択された。
3) ユビキタス世界(いつでも、どこでも、だれでも情報にアクセスする、人間の側から能動的に情報を取りにいくことが必要とされる世界) からアンビエント世界(人々を取り巻く情報環境が見えないかたちで溶け込まれ、人間の状況を賢くセンシングし、環境の側から必要な情報を必要な時に提供したり、快適な環境、安全安心な環境を保持したりする世界) へ変貌しつつある。レジリエント社会において、多様なものが活かされる包括的な宣教アプローチとして、そうした変革に適用可能な宣教協力が開拓されることが期待されている。
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